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終末時計「残り2分」 米誌発表 昨年から改善せず

 米国の科学雑誌「Bulletin of the Atomic Scientists」(ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ)のウェブサイトによれば、同誌は1月24日、地球最後の日までの時間を示す2019年の「終末時計」の時刻について「残り2分」と発表した。米ソの核開発競争が激化した1953年と並び、最も針が悪い方向へ進んだ1年前と同じ時刻とした。

 昨年、時計を進めた最大の理由だった北朝鮮の核問題が未解決の上、米トランプ政権による中距離核戦力(INF)廃棄条約からの離脱方針の表明、さらに核保有国による核戦力近代化などの情勢を踏まえ、危機的な状況は改善されなかったと判断したようだ。同誌は核兵器に加え、気候変動も含めた重大な危機を指摘して「地球滅亡まで2分しか残っていないが、終末時計の針が戻らない理由は何もない」と各国の指導者の行動を促した。

 毎年、この時期に発表される「終末時計」は核と平和を巡る国際状況を映し、冷戦が終結した1991年には「17分前」まで針が戻った。しかしインド・パキスタンの核保有、北朝鮮の核実験、テロの脅威などを反映して21世紀に入り、再び「5分前」の水準まで進んだ。「核なき世界」を唱えたオバマ大統領が就任後の2010年に「6分前」に少し改善したものの、再びじわじわと悪化してきた。

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