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岩国爆音訴訟が結審 広島高裁 判決は10月25日

 米軍と海上自衛隊が共同使用する岩国基地(岩国市)の騒音を巡り、周辺住民654人が損害賠償や空母艦載機の移転差し止めなどを国に求めた岩国爆音訴訟の控訴審は25日、広島高裁で結審した。判決は10月25日の予定。

 この日の口頭弁論で原告側は住民たち4人が意見を陳述。藤本博司さん(77)は騒音で動悸(どうき)が激しくなり、2018年3月の厚木基地(神奈川県)からの艦載機移転完了後、騒音は増したと述べた。津田利明原告団長(72)は同年に米軍機の墜落事故が那覇市と高知県の沖合で起きた点にも触れ「(米軍機などの)夜間・早朝の飛行差し止めを認めてもらうほかない」と訴えた。

 一方、被告側は騒音対策をし、10年5月の滑走路の沖合移設後はほぼ全ての測定点で騒音レベルが大幅に低下したと説明。「騒音の影響は受忍限度の範囲内」などと主張した。騒音被害の一部を認めて国に計約5億5800万円の賠償を命じた15年の一審山口地裁岩国支部判決については、賠償額が他の裁判例と比べて高額とし減額も求めた。

 一審判決は国に賠償を命じた一方、飛行の差し止めについて「国の支配が及ばない第三者の行為の差し止めを求め、理由がない」などと原告の訴えを退けた。原告、被告の双方が控訴していた。(小笠原芳)

(2019年1月26日朝刊掲載)

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