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「平和語れる人材育てる」 広島市教委方針 中学ALT活用推進

 広島市教委が2019年度、中学校の英語教育の強化に向け、複数のモデル校を指定する方針を固めたことが30日、分かった。外国人英語指導助手(ALT)の活用などを柱に生徒の実践的な英語力を伸ばし、被爆地からの平和発信を英語で伝えられる人材を育てる。(明知隼二)

 市教委は、市立中から複数のモデル校を選定。各校にALTを常駐させ、英語の担当教員とチームで授業をしたり、放課後に生徒と交流したりすることを想定する。簡単な英語の本を大量に読む「多読」も採り入れ、効果を検証する。関連経費を19年度当初予算案に盛り込む方針。

 こうしたALT活用の取り組みなどは、14年度に開校した市立広島中等教育学校(安佐北区)で先行して導入している。3人が常駐し、多読や生徒交流といった活動を支えるほか、歴史など他教科の授業を英語で実施する試みもしている。

 同校では英語で生活する3泊4日の研修、平和記念公園での英語ガイドボランティアなどもあり、市教委は「生徒の会話力や学習意欲の向上に効果が出ている」とみる。

 18年度には、大塚中(安佐南区)でも試験導入。ALT2人を配置し、中等教育学校のプログラムを一部採り入れて、効果を探る。

 市教委は、モデル校での試行を通じ、将来的に全市での展開を目指す。「広島から世界に向け、平和を自分の言葉で語れる人を育てるカリキュラムを確立したい」としている。

<広島市教委が全市展開を検討する市立広島中等学校の主な取り組み>

英語教育の充実   ・複数のALTの常駐
          ・検定試験受験の推進
英語を使う機会づくり ・多読用の書籍の整備
           ・海外修学旅行や英語で生活する研修
           ・平和記念公園での英語ガイドボランティア
           ・英語による他教科の授業
広島市立大との連携  ・同大の通信教材を使ったインターネット学習
           ・留学生との交流
           ・英語による大学講義の体験

(2019年1月31日朝刊掲載)

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