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禎子さん題材 アニメ完成 パキスタンのミナラさん 米映画祭で1位

共同制作 広島のNPO喜び

 パキスタンの画家ファウジア・ミナラさん(56)と、広島市中区のNPO法人ANT―Hiroshimaが佐々木禎子さんをテーマに制作したアニメーション「アマイとサダコの祈り」の英語版が、米国の国際映画祭アニメ部門で1位となった。

 約8分。アマイという鳥が子どもたちを乗せ、世界を旅する。鶴を折り続けて白血病で亡くなった禎子さんや広島の復興を紹介。アフガニスタン難民をモデルにした少女も登場し、最後に「勇気とは闘うことではなく平和な未来のために働くこと」と呼び掛ける。

 ANT理事長の渡部朋子さん(65)は2005年にパキスタンを訪れ、ミナラさんと知り合った。翌年に共同で作った絵本を基に、日本YMCA同盟の支援を受けてアニメが完成した。

 昨年12月、米国の「マイヒーロー国際映画祭」から1位の通知を受けた。「サダコの物語に新たな息吹を吹き込み、若い人たちが平和のために努力するよう促している」と評価された。渡部さんは「つらい思いをしている子どもたちを勇気づけることができたらうれしい」と喜ぶ。

 日本語のほかパキスタンで使われるウルドゥー語、アフガニスタンのダリー語やパシュトゥー語にも翻訳する。ミナラさんは「サダコを通して希望や再生力、強さを感じてほしい」と期待する。(増田咲子)

(2019年2月4日朝刊掲載)

アニメーション「アマイとサダコの祈り」

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