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被爆桜苗木 復興の花咲け 広島のNPO 福島に贈る

 広島市東区のNPO法人「二葉の里に桜並木を復活させる会」が、福島県内のNPO法人や自治体などでつくる「ふくしま浜街道・桜プロジェクト」に、原爆で被爆した広島の桜を接ぎ木して育てた苗木を贈った。福島県広野町で3日、植樹式があり、福島の関係者は「広島の心を受け継いで必ず復興する」と決意していた。

 苗木はソメイヨシノ2本。植樹式は広野町の太平洋岸の国道6号沿いにある花壇であった。復活させる会理事長の田辺良平さん(78)=東区=たち広島から駆け付けた3人を含む、10人が出席。田辺さんや、プロジェクト実行委員長の西本由美子さん(59)たちがスコップで植えた。

 プロジェクトは、福島第1原発事故や津波の被害からの復興を目指し1月に発足。10年間で県内に2万本の桜を植えるという。被災地を支援する広島の別のNPO法人を通じ、復活させる会に被爆桜の提供を依頼した。

 「この春には花が咲く。見た人が元気を出してくれたらええね」と田辺さん。西本さんは「放射線を気にせずお花見ができる日まで、しっかり除染が進むよう国などに訴え続けたい」と話していた。(桑田勇樹)

(2013年3月4日朝刊掲載)

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