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広島市予算案 被爆遺構の展示へ検討

 広島市は8日、2019年度当初予算案を発表した。原爆資料館(中区)は4月25日のリニューアルオープンに向け、本館の改修や展示更新の作業を継続。オープニングセレモニーも開く。平和記念公園(中区)の地下に残る旧中島地区の遺構は、「旧天神町筋」の舗装などを確認した昨年12月の第1次試掘調査の結果を踏まえ、保存や展示に向けた具体的な検討に入る。

 焦土からの復興、戦後のまちづくりの礎となった広島平和記念都市建設法の公布・施行から8月6日に70年の節目を迎える。記念シンポジウムや企画展、ウオークラリーなどを開催し、改めて歴史的な意義に光を当てる。

 核兵器廃絶に向け、被爆地からの発信にも引き続き取り組む。米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約の失効と核開発競争の再燃が危惧される中、米ニューヨークでの核拡散防止条約(NPT)再検討会議準備委員会など国際会議に出席。米ロチェスター、ロサンゼルスの両市では、長崎市と共同で原爆展を開く。

 次世代への継承では、市内の高校生と大学生によるユースピースボランティアの制度を設け、20人を公募する。原爆被害や慰霊碑について学んだ上で、平和記念公園を訪れる外国人観光客に英語でガイドする。

<原爆・平和 主な事業>(◎は新規、〇は継続、単位万円)
〇NPT再検討会議準備委員会などの国際会議への出席 1212
〇海外での原爆展開催 534
◎ドイツとの交流推進事業 500
〇原爆資料館の再整備 80899
◎ユースピースボランティア事業 36
〇旧中島地区被爆遺構の展示整備検討 828
◎広島平和記念都市建設法制定70周年記念事業 408

(2019年2月9日朝刊掲載)

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