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2研修医 福島に学ぶ 広島大病院派遣 災害医療を実習

 広島大病院(広島市南区)から派遣された研修医2人が4日、福島県の南相馬市立総合病院で災害医療を学び始めた。15日まで全身測定装置(ホールボディーカウンター)を使った内部被曝(ひばく)検査や、仮設住宅で暮らす住民の健康管理などについて実習する。

 2人は臨床研修2年目の沢田桐子さん(26)と豊田有加里さん(26)=いずれも南区。同病院は、福島第1原発から23キロの地点にある。

 初日は同病院の在宅診療課の根本剛医師(48)から、事故直後の状況について「正確な情報が伝わらず、職員の無断欠勤などパニック状態になった」と説明を受けた。進まない除染や、ホールボディーカウンターの受診率が低下していることなどの課題も聞いた。

 若者世代が避難し、被災地に残ったお年寄りの健康管理を家族でできなくなった実情を踏まえ、「病院がそれを補って在宅医療を支える仕組みを学びたい」と沢田さん。豊田さんは「研修内容を記録に残し、広島の同期や後輩と共有したい」と意欲を見せていた。(桑田勇樹)

(2013年3月5日朝刊掲載)

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