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爆心地再現CG 米トルーマン図書館に 広島の田辺さんが寄贈

 広島市西区の映像作家田辺雅章さん(75)が、被爆前の広島の爆心地周辺をコンピューターグラフィックス(CG)で再現した映像作品を、米中西部ミズーリ州のトルーマン大統領図書館に寄贈した。原爆投下を命じた米大統領ゆかりの施設で、田辺さんによると映像作品は近く公開されるという。

 贈ったのは「『ヒロシマ』からの伝言―原爆で失ったもの」(32分)の英語版DVD。現在は平和記念公園(広島市中区)となっている旧中島地区が被爆前に繁華街として栄えた様子を描き、2010年完成した。

 トルーマン大統領図書館は米政府機関が管理し、在任期間中の公文書などを保管する。田辺さんは知人を通じて同図書館が作品に関心を示していると知った。昨年11月、館長宛てに「惨劇を繰り返さないよう、ヒロシマの真実を伝えたい」との手紙とDVDを送った。

 今月2日、同図書館から「収蔵作品に加え、来館者が閲覧できるようにする」との電子メールが届いた。

 田辺さんは、トルーマン大統領の孫で、昨年8月、広島市の平和記念式典に参列したクリフトン・トルーマン・ダニエルさん(55)にも同じDVDを贈った。田辺さんは「核兵器廃絶を実現するためにも、米国の多くの人に見てほしい」と話している。(田中美千子)

(2013年3月5日朝刊掲載)

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