×

ニュース

サーローさんに名誉博士号授与 母校トロント大

 カナダ在住の被爆者サーロー節子さん(87)に母校トロント大が名誉博士号を授与することが1日、決まった。長年にわたり反核運動に取り組み、一昨年7月の核兵器禁止条約の実現に大きく貢献。非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))を代表してノーベル平和賞を受けたことが評価された。

 最高裁判事やバルセロナ五輪の競泳男子金メダリストら12人とともに、6月4日に同大である授与式に臨む。

 サーローさんは広島女学院大を卒業後、1年間の米国留学を経て被爆10年後の1955年にトロント大大学院へ進学。修士号を取得し、ソーシャルワーカーとして勤務しながら反核運動に力を注いできた。

 サーローさんは「慣れない英語でソーシャルワークを必死に学んだ大学院の2年間は、民主主義と平等という価値を知り、実践した日々。核兵器なき世界を追求する自らの土台をつくってくれた母校の申し出に、胸を熱くしている」と話している。(金崎由美)

(2019年3月2日朝刊掲載)

年別アーカイブ