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福島大に環境放射能研 13年度 広島大など共同運営

 福島大は6日、広島大などと共同で「環境放射能研究所」を2013年度中に設立すると発表した。福島第1原発事故で放出された放射性物質の影響を調べ、効果的な除染や食物中の放射線量低減につなげる。

 計画では、研究所は福島大のキャンパス内に設け、広島大や長崎大など6大学・研究機関と共同で運営する。フランスの放射線防護原子力安全研究所(IRSN)やベラルーシ大などとも連携する。

 研究員は30人規模で、4月以降に国内外の大学などから公募する。国の補助金約12億円を受け、放射線の測定装置などを置く。

 福島県内各地の植物や土壌の放射線量を測り、放射性物質の広がりを調べる。海底や湖底の土も測定し、河川からどれぐらいの放射性物質が流れ込んでいるかを確かめる。こうした研究成果は福島県などに提供する。

 昨夏から計画を練ってきた準備委員会には、広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)所長で、福島県立医大副学長も務める神谷研二教授が参加。今後は、放射性物質の影響を受けやすい両生類やコケを使い、低線量で長期間続く被曝の状況を調べるという。

 研究所設立を主導する福島大の高橋隆行副学長は「放射性物質の影響を長期的に調べる。広島大の蓄積を福島で生かしてほしい」と期待を寄せている。(桑田勇樹)

(2013年3月7日朝刊掲載)

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