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本土訓練 岩国怒りの声 オスプレイ 広島県内でも確認

 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが岩国市の米海兵隊岩国基地を拠点に本土初訓練を開始した6日、地元岩国市では住民たちが基地周辺での監視や座り込みをし、抗議の声を上げた。四国地方上空の「オレンジルート」から岩国へ飛来したとみられる機体は広島県内でも目撃された。

 岩国基地北の沿道には市民たちが午前9時半ごろから双眼鏡やカメラを手に集まり、米軍の戦闘機や自衛隊機、民間航空機が飛び交う滑走路に目を凝らした。

 午後3時50分ごろ、基地北側に3機が姿を現すと「アメリカへ帰れ」「危険な低空飛行訓練やめろ」などの叫び声が上がった。広島市南区から来たという藤井純子さん(62)は「日本人の頭上での危険な訓練をやめさせたい」と怒った。岩国市内では訓練反対の座り込みもあった。

 広島湾をはさんで基地の東側に位置する江田島市では、市職員が同市大柿町の市大柿支所の屋上でオスプレイとみられる機体を確認した。3機が午後3時45分ごろ飛来し、岩国市方向に向かった。江田島市は「上空を通過する機体の確認は初」。今後も飛行情報の収集に努めるという。

 廿日市市大野の経小屋山山頂付近では地元市民団体が監視したが、視界不良で確認できなかった。大竹市でも問い合わせや目撃情報はなかった。

 中国四国防衛局から連絡を受けた広島県は、県民からの問い合わせはなかったとする一方、「県民は不安を感じている。安全対策が県民に分かるよう、きちんと説明してほしい」と求めた。(堀晋也、加茂孝之、村上和生)

オスプレイ 3機編隊飛来 物々しい空気 基地周辺

 オスプレイは6日午後3時50分ごろ、岩国市の米海兵隊岩国基地北方に3機編隊で姿を現した。基地上空で東に旋回すると回転翼を垂直離着陸モードに転換しながら高度を落とし、バリバリと低い音を響かせて滑走路に着陸。駐機場に移動した。

 基地北側の沿道はオスプレイを注視するための車両約50台が並んだ。機影が見えると「あれじゃないか」「来た」との声が上がり、物々しい空気に包まれた。

 沿道では市と山口県岩国県民局も午前8時半から交代でオスプレイの飛行状態を監視。日米合同委員会の合意違反の飛行は確認されなかったとした。

 市基地政策課にはこの日、オスプレイの本土訓練について賛否両方の意見が計4件寄せられた。

(2013年3月7日朝刊掲載)

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