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オスプレイ本土訓練 岩国市長「情報開示を」 知事 遺憾の意表明せず

 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの日本本土での低空飛行訓練が始まった6日、拠点の米海兵隊岩国基地を抱える岩国市や周辺市町は不安な思いを抱えながら初日を迎えた。(酒井亨、門戸隆彦、久行大輝)

 市議会本会議中に職員のメモでオスプレイの岩国基地到着を伝えられた岩国市の福田良彦市長は、記者団に「市民の安心安全を守る立場から、積極的な情報提供を国に求めていく」と答えた。オスプレイが昨年7月に岩国基地に先行搬入された際には「国には大きな不信感を抱く。今後のスタンスも変更せざるを得ない」と話したが、この日は「日米合意を順守するよう山口県や関係市町と働きかけていく」とした。

 岩国市議会ではオスプレイ運用は基地機能強化につながるのではという質問も出た。杉岡匡・基地政策担当部長は「岩国への恒常的な配備ではなく、機能強化には当たらない」とする一方、「住民に不安感があるのは事実で、今後も飛行の状況を注視する」とした。

 山本繁太郎知事は県議会後に記者団に「これからの演習の日程など必要な情報を日米合同委員会の協議結果に基づいて開示してもらいたい」と表明したが、オスプレイの安全性に関する国の検証作業を評価。「(訓練自体に)遺憾の意を表明することはない」と話した。

 昨秋の試験飛行時にはオスプレイの目撃情報が相次いだ周防大島町では、椎木巧町長が「町民が不安を抱えていることを懸念している。訓練を止められないのならば、不安を払拭(ふっしょく)するように、安全な訓練をしてほしい」と望んだ。

(2013年3月7日朝刊掲載)

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