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オスプレイ訓練 闇夜にプロペラ音 岩国市民 「危険性感じた」

 暗闇に包まれた米海兵隊岩国基地(岩国市)から灰色の機体が悠然と舞い上がった。7日、初めて実施された垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの夜間訓練。基地周辺で様子を見つめていた市民の頭上を越え、訓練域とみられる南東方面に向けて姿を消した。(大村隆、堀晋也、友岡真彦)

 日中に目立った動きのなかったオスプレイ。夕方になって整備を始め、日没後の午後7時すぎから基地上空を旋回。離着陸を繰り返しながら同48分、3機のうち2機が回転翼の重い音を闇に響かせながら飛び去った。約40分後、2機とも岩国基地に戻った。

 地元市民団体の松田一志代表(55)は「こんなに暗くなってからの飛行と、その間も続けられている戦闘機の離陸に危険性を強く感じた」。基地に隣接する車第2自治会の若佐賢治会長(59)は「夜間にしろ、低空飛行にしろ、なぜそうした訓練が必要なのか国がしっかり説明すべきだ」と話した。

 この日は山口県内では公立高校の入試が行われた。基地の約4・5キロ西の岩国商高の河本太校長は「英語のリスニング試験を心配していたが、問題なかった」と安堵(あんど)。試験時間中の飛行がなかったことに胸をなで下ろしていた。

(2013年3月8日朝刊掲載)

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