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初代浅野長晟像 復元 旧広島藩主 原爆で焼失

 広島市立大(安佐南区)が、原爆で失われた旧広島藩主浅野氏の初代長晟(ながあきら)の肖像画を復元した。今年が長晟の広島城入りから400年に当たる記念に、長晟を祭る饒津(にぎつ)神社(東区)から依頼を受け制作。27日、同大で引き渡した。

 卒業生の水越千紘さん(37)=安佐南区=が昨年8月から約半年かけて完成させた。江戸時代前期の作とされる原画は、所蔵先の超覚寺(中区)で原爆により焼失。水越さんは、その模写を撮影した白黒写真や、東京大史料編纂(へんさん)所が保管する別の模写、さらに父長政や兄幸長(よしなが)の肖像画も資料とし、原画の長晟像を推定した。天然素材の顔料を使って描き、「原画の雰囲気を感じ取ってもらえるはず」と話す。

 青木信之学長から復元画を受け取った浅野和同(かずとも)宮司(77)は「長晟の入城400年と原爆からの神社復興のシンボルとして伝える」と感謝した。同大は2010年度にも長晟の肖像画を復元。その絵は広島城(中区)が所蔵している。(城戸良彰)

(2019年3月28日朝刊掲載)

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