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広島平和文化センター 理事長に小溝氏浮上 外務省出身の国際経験評価

 広島市の外郭団体、公益財団法人広島平和文化センターの新しい理事長に、前駐クウェート大使の小溝泰義氏(65)=東京都=が浮上していることが8日、分かった。3月末に辞任するスティーブン・リーパー理事長(65)の後任となる。市の平和行政の一翼を担う理事長に外務省出身者が起用されれば初めて。(田中美千子)

 小溝氏は千葉県出身。法政大法学部を卒業後、1970年に外務省入省。国際原子力機関(IAEA)の事務局長特別補佐官やウィーン国際機関政府代表部大使を歴任し、駐クウェート大使を最後に昨年11月退職した。

 センターが財団法人化した76年以降、理事長はこれまで8人。リーパー氏は国際非政府組織(NGO)の関係者たちとの人脈を生かし、核兵器廃絶に向けた国際的な活動に尽力した。前例のない外務省出身者が後任に浮上したのは、広島市が小溝氏の核問題をめぐる知識、国際舞台での手腕を評価したためとみられる。

 リーパー氏は任期満了(5月)を待たずして辞任して米国へ帰国する意向だ。松井一実市長に昨年11月伝え、了承された。センターは今月28日に評議員会と理事会を開き、理事長の後任を決める。

(2013年3月9日朝刊掲載)

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