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原発事故移住者の思い 呉の編集者が冊子 毎月出版し計6回予定

 東京電力福島第1原発事故をきっかけに関東地方から別の地方に移った家族の思いを、2011年夏に東京から呉市に移住した編集者神原将さん(38)=呉市中央=が冊子にまとめた。

 A5判、32ページ。「移住者の声 HOME」とタイトルを付けた。昨年3~12月、関東や東北に住んでいた計50家族をアンケートし、そのうち35家族に会い取材した。冊子は関東から離れた6家族を取り上げ、14項目の質問に対する回答を載せている。神原さんが取材を基に書いた小説も収めた。

 埼玉県から福岡県に転居した女性は、引き続き暮らしていたらとの問いに「地震のたびに原発事故におびえ、精神的に持たない」と回答。茨城県から沖縄県へ移った女性は「転居そのものを非難される」と訴える。避難区域に住んでいたわけではないのに―という対応がつらいという。移住を決めた個々の事情やその後の経済状況もつづった。

 500冊を用意し、ホームページ(HP)などで注文を受け付けている。350円。今回は第1号とし、毎月1冊ずつ計6号出版する予定。

 神原さんは「安心を求めて移住という一大決心をした人がいることを知ってほしい」と話している。HPはhttp://genpatsu‐hikkoshi.info/(柳本真宏)

(2013年3月9日朝刊掲載)

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