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阿武町民 反対が半数 地上イージス配備 町長、国に伝達へ

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の陸上自衛隊むつみ演習場(萩市)への配備計画を巡り、山口県阿武町で反対する「町民の会」の加入者が有権者のほぼ半数に達した。花田憲彦町長は17日、「重い数字だ」として防衛省に伝える意向を示した。

 町は演習場の北側に隣接し進入路の一部が通る。町民からは北朝鮮の方面へ迎撃ミサイルを発射した場合、町上空を通過することから配備反対の声が高まっている。町民の会は今年2月に結成し、17日時点で1394人が入会。町内の有権者2898人の48・1%に当たる。

 この日、吉岡勝会長(65)ら8人が町役場で花田町長たちに面会。集計結果と計画撤回を求める要請書を手渡した。吉岡会長は、ミサイル落下物の危険性や移住者離れの懸念を挙げ「配備計画を変更するよう国に伝えてほしい」と訴えた。

 すでに反対を表明している花田町長は報道陣に「重い数字。私の判断は間違いでなかったと確信した」と強調。近く防衛省を訪れ結果を伝える。

 同じく計画撤回を訴える萩市の住民の会も県内外で約2万人を超す反対署名を集めている。森上雅昭代表(66)は「市内だけで5千人近く集まった。反対の民意は広がっている」と話す。近く藤道健二市長宛てに集計結果を届ける考えだ。

 一方、防衛省は5月中にも演習場へ配備可能かを判断するための適地調査の結果を地元へ説明する予定。(和多正憲)

(2019年4月18日朝刊掲載)

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