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大江さん「福島に向き合おう」 脱原発願い震災2年の講演

 東京電力福島第1原発事故から2年を受け、「さようなら原発1000万人署名」運動に取り組むノーベル賞作家の大江健三郎さんたちが11日、「つながろうフクシマ!さようなら原発講演会」を東京都内で開いた。

 約1200人が参加。呼び掛け人の一人、ルポライターの鎌田慧さんは「安倍政権は経済だけを言っているが、経済より命だと世界に示したい。脱原発基本法の制定につなげたい」とあいさつした。

 大江さんは、脱原発は経済コストが高い点に触れつつ、「広島、長崎の記憶を守り続けた日本人なのだから、福島に向き合う以外の道はない」と訴えた。

 音楽家の坂本龍一さんは若手ロックバンドのメンバーと対談。都内で9、10の両日に開いたイベントを振り返りながら「音楽家は音楽だけをしていればいい社会になってほしいが、そういう状況にない」と全国各地の原発再稼働への危機感を表した。

 被災地からは、福島大の清水修二教授(地方財政論)が「避難者も現地に残った人もストレスが増し、2年たっても被害は広がっている」と指摘した。講演会には、作家の沢地久枝さんも参加した。(藤村潤平)

(2013年3月12日朝刊掲載)

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