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福島被曝医療の55人の手記集発行 広島大2500部配布へ

 広島大は11日、手記集「東日本大震災・福島原発災害と広島大学」を発行した。福島第1原発事故後、福島県内で被曝(ひばく)医療に携わった医師や看護師たち55人が経験をつづった。

 A4判、80ページ。福島第1原発の20キロ圏内から避難した住民の放射線検査や福島県立医科大での内部被曝の健診、警戒区域への住民の一時立ち入りの健康管理などの活動を写真を交え報告している。

 うち、広島大病院の岩崎泰昌講師は災害直後、災害派遣医療チーム(DMAT)の一員として福島県二本松市に駆け付けた。手記では女性の避難者から将来の出産への影響を尋ねられたことに触れ、「全員が見えない放射線におびえていた」と振り返った。

 編集委員長を務めた、原爆放射線医科学研究所の神谷研二所長は「現場の生の声から課題や成果が検証できる。今後の支援につなげたい」としている。

 2500部発行。広島県や福島県、原発が立地する道県、全国約120の被曝医療機関などに配る。希望者にも無料で送る。同大広報グループTel082(424)6017。(石井雄一)

(2013年3月12日朝刊掲載)

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