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戦後処刑の将兵追悼 西区で遺族ら法要

 第2次世界大戦後、連合国側の軍事裁判でBC級戦犯として処刑されるなどした旧日本軍の将兵を追悼する法要が28日、広島市西区三滝山の三瀧寺の「十三重之塔」前で営まれた。9人が参列し戦争のない世界の実現に思いを新たにした。

 戦犯とされた県出身者や関係者計57人の名前が刻まれた塔は、1953年ごろに遺族会などが建立した。隣の石板には「等しく国命によって戦争に参加しながら、戦勝国によって一方的に裁かれた霊を慰める」とある。法要は毎年この時期にあり、佐藤元宣(はるのぶ)住職(62)の読経とともに参列者が焼香して手を合わせた。

 東区の妻苅幸男さん(82)は、憲兵大尉だった叔父の悟さん=当時(34)=について「遺書に『笑って死にます』とあった。最期まで国のためと思い生きた人だった」。海軍中尉だった父為吉さん=当時(41)=を亡くした安佐南区の望月昇さん(77)は「父の記憶がない寂しさは消えない。そんな思いをさせられる戦争を繰り返してほしくない」と話した。(加納亜弥)

(2019年4月29日朝刊掲載)

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