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再開原爆資料館 最長2時間待ち 1万人以上来場

 原爆資料館(広島市中区)は29日、入館者が多く館内の混雑が激しいため、午後4時前から入場を制限した。25日に本館をリニューアルオープンしたばかり。29日は最長2時間待ちの行列ができ、午後6時の閉館までに入館者が見学を終えられないと判断した。同館は「これまで入場制限した記憶はない」とし、今後、入場を打ち切る場合にはホームページで周知する。

 午前8時半の開館前から入り口に並ぶ人がおり、混雑は午後2時ごろピークになった。同館北側の原爆ドーム方面へ300メートル以上の列が延びた。同館職員は午後3時55分以降、新たに列に並ばないよう呼び掛け、入場制限に理解を求めた。

 同館によると、この日だけで昨年度の1日平均4194人を大幅に上回る1万人以上が来場したという。

 小雨が時折降る中、入場を待つ行列には親子連れや外国人観光客たちが目立った。川崎市から旅行で訪れた会社員高木進さん(54)は「1時間以上待っても入れない。こんなに混んでいるとは」と疲れた様子だった。

 本館はリニューアルで遺品など「実物資料」をより重視した展示になった。混雑について同館学芸課の加藤秀一課長は「大型連休や雨の影響に加え、展示をじっくり見る人が増えたことも要因ではないか」とみる。滝川卓男館長は「多くの方に来てもらったのに申し訳ない。安全で快適な観覧のため、ご理解いただきたい」と話した。

 同館は、広島市中区の平和大通り一帯で2019ひろしまフラワーフェスティバルが開かれる5月3~5日、閉館時間を例年通り午後8時まで延長する。(原未緒、教蓮孝匡)

(2019年4月30日朝刊掲載)

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