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核廃絶「若者が役割を」 NPT準備委出席の松井・広島市長 国連国際学校で講演

 核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会に出席するため米ニューヨークを訪れている広島市の松井一実市長は4月30日、国連関係者の子どもたちが通う国連国際学校を訪れ、高校生約130人を前に講演した。核兵器廃絶に向けて若い世代が果たす役割の重要性を訴えた。(ニューヨーク発 明知隼二)

 松井市長は、被爆前後の広島市街、全身をやけどした被爆者の写真などを示しながら、市民の暮らしを奪った原爆の非人道性や被害の悲惨さを説明した。核兵器保有国による核軍縮が十分に進まない現状にも触れ、「若い人が市民社会の柱だ。将来のために、核兵器廃絶という共通の目標に向けた動きに加わってほしい」と呼び掛けた。

 平和首長会議(会長・松井市長)が派遣している広島女学院高、修道高、盈進高の生徒計8人も同行。同年代の生徒約30人に、核兵器廃絶を求める署名活動など自分たちの取り組みを紹介した。グループに分かれ、平和な世界をつくる方法などを語り合った。広島女学院高3年の庭田杏珠さんは「核兵器のない世界に向けて課題は多いけど、国境を越えて手を取り合おう」と英語で呼び掛けた。

 松井市長と高校生8人は同日、長崎市の田上富久市長と共に、国連の中満泉・軍縮担当上級代表(事務次長)も訪ねた。修道高2年の山口広貴さんと谷本和史さんが代表し、昨年4月からの1年間で集めた核廃絶の署名約12万筆の目録を手渡した。中満氏は「皆さんやその子ども、孫のため、世界をどう安全にしていくか考えてほしい」と激励した。

(2019年5月2日朝刊掲載)

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