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「平和の歌」 耳をすまして 広島市PR 公共施設や動画で

 8月6日の平和記念式典で歌う「ひろしま平和の歌」を知ってもらおうと、広島市がPRに力を入れている。4月下旬からJR広島駅(南区)や広電バスの車内でメロディーを流し、駅南口地下広場(同)の大型ビジョンでは、歌に合わせて平和記念式典を紹介する動画の放送を始めた。

 ひろしま平和の歌は「雲白く たなびくところ 空のはて 東に西に」と歌い出し、清らかで格調高いメロディーに乗せて世界平和への願いを静かに訴える。原爆の悲劇を強調したり、反核を直接訴えたりする歌詞は出てこない。

 1947年8月6日の第1回平和祭を前に、当時の浜井信三市長が会長を務めた広島平和祭協会が歌詞を公募し、完成した。市民が平和記念式典以外で聴く機会は少なく「良い歌なので広めてほしい」との声が市に寄せられていた。

 メロディーを流す公共空間は、広島駅の中央改札周辺で30分に1回程度、県北部から広島バスセンター(中区)に来る広電バスの中で到着時に。アストラムライン全駅のホーム、紙屋町地下街シャレオ(中区)でも定期的に流している。

 市のホームページで歌付きの動画を視聴できる。市広報課の浜井紀行課長は「メロディーが流れる場所をさらに増やし、国内外の人に知られる歌にしたい」と話す。(永山啓一)

(2019年5月3日朝刊掲載)

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