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広島の高校生 核廃絶訴え 国連本部でユースフォーラム

 核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会が開かれている米ニューヨークの国連本部で2日、被爆地広島の高校生たちが核兵器廃絶への取り組みを発表する「ユースフォーラム」があった。平和首長会議(会長・松井一実広島市長)の主催。準備委に参加している非政府組織(NGO)の関係者たちが聞いた。(ニューヨーク発 明知隼二)

 平和首長会議が派遣している広島女学院高と修道高(いずれも広島市中区)、盈進高(福山市)の生徒計8人が学校ごとに英語で報告した。人工知能(AI)技術で色付けした戦前のモノクロ写真を使って被爆者から当時の状況を聞き取る試みや、核兵器廃絶を求める街頭署名について紹介。「若い世代には被爆者の記憶や思いを未来へつなぐ責任がある」「広島を訪れて原爆被害を理解してほしい」と呼び掛けた。

 盈進高1年酒見知花さん(15)は署名活動の経験から「核兵器廃絶への賛否以前に無関心な人が圧倒的に多い。問題意識を持ってもらうには、教育からのアプローチも大切だ」と話した。

 フォーラムでは長崎の大学生、米国やドイツの若者による報告もあった。来場者からは「米国の『核の傘』に頼る日本やドイツの市民には、核兵器廃絶へ向けて自国政府を動かす特別な役割がある」と、若者の取り組みに期待する意見が出た。

(2019年5月4日朝刊掲載)

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