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核禁止条約 改めて拒否 NPT準備委で保有5ヵ国

 米ニューヨークの国連本部で開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会は2日、核軍縮をテーマに討議した。核兵器保有国5カ国も発言し、いずれも核兵器禁止条約を拒否する姿勢を改めて強調した。(ニューヨーク発 明知隼二)

 米国は、国際的な安全保障を巡る環境が悪化しているとして「環境の課題を無視したまま削減、禁止しようとしても、それは必ず失敗する」と禁止条約を批判した。軍縮についても「段階的な削減で可能なところまでは進めた」として、当面は国際的な安全保障環境の改善をテーマにした議論を進める考えを示した。

 英国は、米国の提案を「進展が期待できる実際的なステップだ」と歓迎した。同条約には「支持も署名・批准もしない」との姿勢を鮮明にした。

 ロシアは「禁止条約は間違いだ。核軍縮の役には立たず、NPT体制を害する」と強く批判。フランスも「条約に加わった国は、核抑止なしでどうやって安全と安定を維持するのか、説明すべきだ」とした。

 中国は直接的な批判を避けたが、「現在の核軍縮の仕組みを維持、強化する」「段階的な削減で核なき世界を達成する」とし、核兵器を法的に禁止するアプローチを否定した。

 この日、禁止条約の中心的な推進国のオーストリアが最後に発言。「禁止条約とNPTの目的は同じ核兵器廃絶だ。両立可能で、むしろ互いに補う不可欠なものだ」と訴えた。

(2019年5月4日朝刊掲載)

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