×

ニュース

核軍縮完全履行へ 確認の勧告案配布 NPT準備委議長

 米ニューヨークの国連本部で開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会で、サイード議長(マレーシア)は3日、2020年の再検討会議で議論の下敷きとなる勧告案を各国代表に配布した。核軍縮を義務付けるNPT第6条の「完全で効果的な履行」を確認し、核兵器禁止条約に多くの国が賛同していることにも触れた。最終日に全会一致での採択を目指すが、米国など核兵器保有国の反発が予想される。(ニューヨーク発 明知隼二)

 勧告案は、核軍縮、核不拡散、原子力の平和利用など5分野計55項目。最も多い21項目を割いた核軍縮では、保有国に対し、新型核の開発や核兵器の近代化をやめるよう呼び掛け、00年の再検討会議で合意した「核兵器廃絶への明確な約束」の速やかな履行を求めるとしている。

 禁止条約については、多くの国が賛同しており、NPTを補完するものだとの確認を促す。ほかに、8月にも失効する中距離核戦力(INF)廃棄条約など米国とロシアの間の合意の重要性、米国が離脱したイラン核合意の維持への強い支持も盛り込んだ。

 地域問題では、大量破壊兵器のない中東を目指す1995年の「中東決議」実現への努力を継続し、北朝鮮の完全な非核化とNPTへの復帰を強く求めるとした。サイード議長は配布にあたり「勧告案が全会一致の土台になることを願う」と述べ、週明けからの協議で各国からの意見を反映させていく考えを示した。

(2019年5月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ