×

ニュース

北朝鮮が飛翔体発射 非核化交渉など影響懸念 広島

 北朝鮮が飛翔体数発を日本海へ向け発射したと報じられた4日、被爆地広島では驚きや不安が広がり、米国主導の非核化交渉や日本政府が目指す日朝首脳会談への影響を懸念する声も聞かれた。

 広島県被団協の箕牧智之理事長代行(77)は「(金正恩朝鮮労働党委員長が)米国やロシアとの首脳会談を重ねていただけに驚いた」と強調。「譲歩姿勢を見せないトランプ大統領や、追従する日本政府にちくりと脅しをかけたのでは。話し合いを進めるには歩み寄りも必要だ」と非核化協議の戦略の練り直しを求める。

 もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(74)は「残念。米国との話し合いがなかなか進まず北朝鮮側がいらだっているのかもしれないが、日米政府は挑発に乗ってはいけない」と冷静な対応を望んだ。

 花と平和の祭典であるフラワーフェスティバル(FF)の会場でも、不安が広がった。広島市安佐南区の会社員戸室浩司さん(44)は「核実験や弾道ミサイル発射を繰り返していた時期のように、北朝鮮が行動をエスカレートさせないか心配」。広島県日韓親善協会の寺内優事務局長は「コメントできる立場にない」と険しい表情だった。(松本大典、秋吉正哉)

(2019年5月5日朝刊掲載)

年別アーカイブ