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平和大橋欄干 落書き 県警、器物損壊容疑で捜査

 世界的彫刻家の故イサム・ノグチ氏が設計した、広島市中区の平和大橋の北側欄干にスプレーのようなもので落書きされていたことが4日、分かった。広島中央署が器物損壊容疑で調べている。同橋北隣に3月21日に開通した歩道橋から書かれた可能性がある。同署によると近隣の駐車場など3カ所に同様の落書きがあり関連を調べる。

 橋中央付近の欄干外側に縦約50センチ、横約80センチにわたり、黒い塗料でアルファベットや矢印のような記号が書かれていた。特徴的な欄干の表面を67年前の建設当時に近いコンクリート打ち放しの質感に復元したばかり。一帯では3日からひろしまフラワーフェスティバルが開催中。4日、被害を確認した市職員が落書きをブルーシートで覆った。今後、塗料を落とす予定。

 通りかかった元市道路交通局長の池上義信さん(70)=西区=は「平和を願う、かけがえのない作品なのに」と憤った。広島県被団協の箕牧智之理事長代行(77)は「祈りの場所に理解のない行為。情けないし悲しい」。もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(74)は「軽はずみな行動で、橋に込められた意味を学んでほしい」と求めた。

 中区建設部は「再発防止策を検討する」。平和記念公園周辺では昨年秋、原爆ドームそばのベンチなど数カ所で外国人がスプレーで落書きをしたとして同署に摘発された。(村上和生)

(2019年5月5日朝刊掲載)

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