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あすから硫黄島訓練 岩国基地艦載機 昨年は騒音激化

 中国四国防衛局は7日、岩国市の米軍岩国基地に移転した空母艦載機が9~19日、硫黄島(東京都)で陸上空母離着陸訓練(FCLP)をすると市と山口県に伝えた。天候不良などで同島で訓練できない場合の予備施設に岩国など国内3基地が指定された。移転後初のFCLPが同島であった昨年5月は、事前訓練などのためか、岩国基地周辺の騒音が激化している。

 FCLPは滑走路を空母の甲板に見立てて離着陸を繰り返し、激しい騒音を伴う。防衛局によると、FA18スーパーホーネット戦闘攻撃機など全4機種が参加する。予備施設の指定は16~19日の午前10時~午後10時。岩国のほか、厚木基地(神奈川県)と三沢基地(青森県)が選ばれた。

 岩国市と山口県は7日、防衛局に対し、岩国基地を使わず硫黄島でFCLPを完了することや、今後は岩国を予備基地に指定しないことを米側に要請するよう申し入れた。柳井市と同県周防大島、和木両町を加えた県基地関係県市町連絡協議会も8日、岩国基地などに同様の要請をする。

 FCLPは岩国では2000年を最後に実施されていない。一方、昨年5月はFCLPの関連とみられる運用が岩国基地周辺で活発化。岩国市の騒音測定回数は10年の滑走路沖合移設後で月別最多を記録し、市への苦情件数も月別最多となった。(松本恭治)

(2019年5月8日朝刊掲載)

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