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アラビア語「ゲン」費用に 金沢の市民団体 Tシャツ販売

 漫画「はだしのゲン」を世界へ広める活動に取り組む金沢市の市民グループ「プロジェクト・ゲン」はアラビア語版の発刊や普及の費用に充てるため、Tシャツを販売する。7日、広島市役所で会見し、協力を呼び掛けた。

 漫画の一場面などをあしらったシャツは、原作者の故中沢啓治さんの妻ミサヨさん(76)=埼玉県所沢市=や知人のデザイナーたちの協力で、白、黄、赤、緑の4種を用意した。受注生産で1枚3500円。

 アラビア語版は、広島大大学院で博士号を取得したエジプト・カイロ大のマーヒル・エルシリビーニー教授が「『はだしのゲン』を母国で広めたい」と翻訳し、2015年1月から現地で刊行している。しかし、資金不足などで全10巻中5巻までの発行にとどまっているため、同グループが支援を決めた。

 会見でプロジェクトの坂東弘美代表代理(71)は「悲惨な原爆の実態を知ってもらいたい」と訴えた。

 売り上げの約半分を寄付金に充てる。目標は45万円でエジプトの出版社に贈る。購入の問い合わせはディスクショップ「ミザリー」☎082(241)0782=水曜定休。(江川裕介)

(2019年5月8日朝刊掲載)

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