×

ニュース

NPT準備委が閉幕

 米ニューヨークで開かれている2020年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会は10日、閉幕した。「議長勧告」を示したサイード議長(マレーシア)は、終了後の記者会見で「全会一致ほどの権威はないが、再検討会議の議論に生かしてほしい」と述べた。(ニューヨーク発 明知隼二)

 サイード氏は再検討会議のたたき台となる勧告案を各国に示したが、核兵器禁止条約などの文言を巡って核兵器保有国と非保有国が対立。全会一致での採択は難しいとして見送った。議長勧告は、各国が準備委や再検討会議に意見として出す「作業文書」と同じ位置付けとなる。サイード氏は「議場での意見のバランスを取り、共通の土台を見いだすためにベストを尽くした」と話した。

 議長勧告は9日に再提示した勧告案と同じ内容で、核軍縮など5分野の67項目。3日に配った当初案の討議を踏まえて、保有国に「核軍縮の完全な履行を急ぐ」と求める文言を加えた。核使用の「壊滅的な人道上の結果」に関する記述も大幅に増やした。

 準備委は5年に1度の再検討会議に向け、3年前から毎年開く。今回は、NPT発効50年の節目となる20年の会議に向けた最後の準備委。4月29日から開いていた。

(2019年5月12日朝刊掲載)

年別アーカイブ