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核廃絶へ対話深化を 首長会議、アピール文配布

 平和首長会議(会長・松井一実広島市長)は10日、米ニューヨークで開かれているNPT再検討会議の第3回準備委員会で、来年の再検討会議に向けたアピール文を各国代表に配った。準備委で各国の意見の対立が目立ったことを受け、核軍縮を前進させるための対話を深めるよう求めた。(ニューヨーク発 明知隼二)

 アピールは、約190カ国・地域が加盟するNPTを「第2次世界大戦後に結ばれた最も重要な条約の一つ」と評価。核軍縮の取り組みなどを巡って核兵器保有国と非保有国が対立する現状を踏まえ、「違いを乗り越える真剣な対話を通じて、核軍縮を具体的に前進させる解決策」を見いだすよう求めた。核兵器廃絶を願う被爆者の存在にも触れ、加盟国に「対立から協調への転換」も訴えた。

 アピールは各国代表に議場で配ったほか、平和首長会議のジャッキー・カバソ専門委員がサイード議長に手渡した。カバソ氏は「このシンプルな人道的なメッセージが外交の難局の助けになれば」と話した。

(2019年5月12日朝刊掲載)

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