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8・6式典デモ規制条例 市長「今年は困難」

 8月6日の平和記念式典の最中、会場の平和記念公園(広島市中区)の静粛の確保に向け、条例によるデモ団体の拡声器の使用制限も視野に検討をしている広島市の松井一実市長は24日の記者会見で「スケジュール的に今年の式典までの条例制定は困難」との認識を示した。条例の是非などを尋ねた市民アンケートの結果は6月12日開会の市議会定例会で公表するとした。

 松井市長は「静謐(せいひつ)の確保の方法は、今年の式典と来年以降の式典を分けて考える」と述べ、今年中の条例による拡声器の規制は議論の時間が限られるため難しいとする一方、条例によらない静粛の確保策を検討する考えを示した。来年以降の式典に向けては引き続き、条例制定も視野に検討する。

 デモ団体からは「条例による拡声器の規制は憲法で保障された表現の自由の侵害だ」とする声が上がっている。松井市長は「式典の騒がしい状況を表現の自由だからと納得するのか、式典のイメージ、価値を高め平和を発信することを重視するのかという議論を市議会でしていきたい」と述べた。市民3千人を対象にしたアンケートの有効回答率は41%だったことも明らかにした。(永山啓一)

(2019年5月27日朝刊掲載)

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