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旧中島地区発掘 重機作業に着手 広島市

 原爆投下で壊滅し、平和記念公園(広島市中区)地下に残る旧中島地区の発掘調査で、広島市は24日、原爆資料館東館の北側の緑地帯で重機による掘削作業に着手した。調査は、遺構の展示公開に向けて位置や範囲を確定させるためで、7月下旬まで続ける。

 発掘するのは、材木店や民家などが並んでいた「旧天神町筋」西側の約25平方メートル。民家の痕跡や、市民の暮らしを伝える生活用品の遺物の有無や状態を探る。この日は、地表の硬い土を取り除くため、重機1台を使って深さ約30センチまで掘る作業をした。27日からは、同約60センチ前後にある被爆時の地表を手作業で掘り出す工程に移る。

 市は2020年度の展示公開を目指す。中川治昭・被爆体験継承担当課長は「(溝状に掘った)試掘では得られなかった詳しい情報を得て、展示検討に生かしたい」としている。(明知隼二)

(2019年5月25日朝刊掲載)

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