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平和宣言案作りに着手 広島市長ら懇談会初会合

 広島市長の平和宣言の文案を検討する懇談会の初会合が26日、中区の広島国際会議場であった。松井一実市長と、有識者や被爆者の委員7人が、核兵器保有国が核軍縮に逆らう行動を見せる国際情勢を踏まえて意見を交わした。3期目を迎えた松井市長は宣言で、被爆者の体験を原点とし、政治指導者に核兵器のない世界を目指した行動を促す考えを改めて強調した。

 松井市長は冒頭のあいさつで、米ロによる中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄の表明や、米国の臨界前核実験など保有国の動向を非難した。会長を務める平和首長会議が、米ニューヨークで4月下旬から5月上旬にあった核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委員会で、協調的な安全保障を求めたと強調。「すべての為政者が核兵器のない世界へ勇気を持って行動するよう宣言でうたい、首長会議が後押ししたい」と述べた。

 その後、非公開で議論。終了後に会見した松井市長によると、市民が核兵器の廃絶を望んでも、国家が核抑止力の理論を持ち出してしまうギャップを埋める必要性を指摘する意見があった。また、平和に関わる活動で実績のある人物の体験や言葉、被爆者が心情を詠んだ和歌や俳句を取り入れる案などが出たという。会合は6月中旬と7月中旬にもある。(畑山尚史)

(2019年5月27日朝刊掲載)

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