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原発事故の被災者ドラマ、鎮魂のチェロで 広島で演奏会

 福島第1原発事故の被災者の避難生活を取り上げたラジオドラマ「見えない雲の下で」のコンサートが9日、広島市中区の県民文化センターであった。ドラマを制作した市内の二つの市民団体が企画。事故発生から2年を前に、約200人が被災地の現状に思いを寄せた。

 ドラマは、原発事故で福島県浪江町から避難し、昨年6月に84歳で亡くなった女性の手記を基にした約30分のストーリー。放射線被害におびえる被災者の避難生活を再現する。約1時間のコンサートでは、ドラマの音声を流しながら、チェロ奏者秋津智承さん(55)=安佐北区=が生演奏を重ねた。

 中区の無職原田康夫さん(81)は「鎮魂の音色のようだった。避難生活が続く被災者のことを忘れてはいけないと感じた」と話した。

 ドラマは、市民団体の「ボランデポひろしま」と「まち物語制作委員会」が昨年9月に制作。全国のコミュニティーFMで放送された。(胡子洋)

(2013年3月10日朝刊掲載)

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