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ミサイル基地の押し付け反対を イージス 山口県庁で住民抗議

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の適地調査で、防衛省が陸上自衛隊むつみ演習場(萩市)に安全配備の「お墨付き」を山口県に伝えた28日、県庁では計画に反対する萩市や阿武町の住民たちが抗議のシュプレヒコールを繰り返した。

 「知事と萩市長は配備計画を拒否しろ。阿武町長頑張れ」。正面玄関前の前庭に陣取る約70人が原田憲治防衛副大臣の車の到着に合わせ声を張り上げた。「山口にミサイル基地はいらない」「基地を押し付けるな」などと声をからした。

 萩市下田万の印刷業藤井郁子さん(67)は「湧き水への影響は工事終了後、2~9年経過しないと分からない。ちゃんと調査していないのに問題がないと断定するのはおかしい」と憤る。

 集まった住民たちは、阿武町の花田憲彦町長が計画に反対する一方、賛否を明らかにしない村岡嗣政知事と萩市の藤道健二市長の姿勢も批判。萩市佐々並の無職松本隆さん(70)は「調査は形だけで米国の言いなりだ。知事や萩市長は強い者に巻かれるな」と訴えた。

 また、既に受け入れ容認を表明する萩商工会議所はこの日、会頭名で「適地であると確認された。安心安全が担保されれば国の防衛は国民全体で負担するべきで配備計画を容認する」とのコメントを出した。(佐藤正明)

(2019年5月29日朝刊掲載)

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