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2世の力生かす 大竹の被爆者協会長に中原さん

 大竹市原爆被爆者協議会の新会長に中原悦司さん(73)=同市御園=が就いた。会長の交代は7年ぶり。会員の高齢化が進む中、被爆2世の力を生かす運営を目指す。

 前任の藤川毅会長(84)から4月に引き継いだ。会員626人のうち被爆2世は108人で、副会長ポストを担うなど運営の大きな力となっている。県内でも高齢化などで解散する被爆者団体が見られるが、中原会長は「会を解散するわけにはいかない。10年後、被爆2世が運営していくためにも行政の全面的な支援がより必要になる」と指摘する。

 協議会は1971年、約2千人で発足。毎年8月6日、市内で原爆死没者追悼・平和祈念式典を催す。単独開催から2011年、実行委員会方式に切り替え、市教委が主催者に加わった。中原会長は「平和教育の一環として、子どもたちに核廃絶の願いが受け継がれている」と感謝する。

 中原会長自身はあの日、祖父を捜す母に抱かれて広島市内に向かい、入市被爆した。生後1カ月だった。

 市内の被爆者は29日現在、579人。会員の減少を食い止めるため「被爆者健康手帳を持っている非会員にも運営面で力を貸してほしい。声掛けをしていきたい」と話す。(白石誠)

(2019年5月30日朝刊掲載)

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