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『核兵器はなくせる』 中央アジア非核条約発効 軍縮に追い風

■記者 吉原圭介

 中央アジア非核兵器地帯条約が21日発効した。多国間の非核地帯条約の発効は世界で4番目。核軍縮や、日本や朝鮮半島を中心とした北東アジア非核地帯構想にとって追い風となる。

 条約の対象はカザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの5カ国。核兵器の開発や保有、自国内で他国の放射性廃棄物を廃棄することなどを禁止している。各国の署名と批准を経て発効にこぎつけた。

 一方、他国がこの5カ国に対し核兵器の使用や威嚇をしないこと(消極的安全保障)などを求める「議定書」は発効のめどが立っていない。核兵器国の署名・批准が条件で、米国と英国、フランスが反対しているため。

 中央アジアは旧ソ連の崩壊により、一時的に核兵器保有国になった。条約は1997年に5カ国首脳が構想に合意し、国連アジア太平洋平和軍縮センターが中心となって調整を重ねてきた。

非核兵器地帯条約
 ある特定地域を構成する非核兵器国が自らの「発意」で核兵器の開発、生産、貯蔵などを行わず、その領土に他国の核兵器の展開などを認めないことを約束する。1960年代以降、南半球を中心に合意形成が進み、ラテンアメリカおよびカリブ地域(68年)▽南太平洋(86年)▽東南アジア(97年)-の3地域で発効。「アフリカ」は96年に署名したが発効していない。

(2009年3月21日朝刊掲載)

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