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被爆2世の田中さん・原爆開発関係者の娘 日米の2作家 平和アート

 広島県三次市の三良坂平和美術館で15日、広島市西区出身の被爆2世で現代美術家の田中勝さん(43)=山形市=と、父が原爆を開発する計画に関わった米国の女性画家ベッツィ・ミラーキューズさん(68)の共同作品展が始まった。4月14日まで。

 田中さんの風景写真にミラーキューズさんのアクリル画を重ねる合成作品を1998年から制作してきた。独特の手法で、日米の垣根を越えて平和の尊さを伝える。

 今回は27点を展示。ハワイ・真珠湾に沈んだままの米軍艦から折り鶴が飛び立つ様子や、福島第1原発事故の影響で放射線量が高い地域を優しく見守る守り神など、平和を願うメッセージが強い作品に注目を集めていた。

 開会式で田中さんは原発事故の風評被害に触れ、「福島の人々の痛みに寄り添いたい。福島のことを忘れないでほしい」と話していた。一般400円、65歳以上300円、高校生200円、中学生以下無料。月曜日休館。(重田広志)

(2013年3月16日朝刊掲載)

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