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イラク戦争10年 DUの危険訴え 中区で国際シンポ

 イラク戦争の開戦から20日で10年となるのを前に、イラク人医師たちによる国際シンポジウムが17日、広島市中区の原爆資料館東館であった。現地でがん治療をする2人の医師は「放射能兵器」と呼ばれる劣化ウラン(DU)弾の危険性を訴えた。

 イラク南部のバスラがん研究センターのジャワッド・アルアリ顧問(68)は、開戦前後のがん発症率を比較した。「乳がんは3倍以上。DUの影響で多くの人が亡くなった」と言葉を詰まらせた。

 同僚のカリーム・アルエマラ医師(49)も「原爆も戦争もDUもいけない」と強調。シンポ参加に先立って、福島第1原発事故が起きた福島県を訪れたと報告し「放射線の影響が心配」と語った。国内法でDU兵器を禁ずるコスタリカの平和活動家による報告もあった。

 広島の市民団体「NO DU ヒロシマ・プロジェクト」などの主催で、約40人が訪れた。

(2013年3月18日朝刊掲載)

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