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「夏の花」ゆかり 映像で建物紹介 原民喜没後62年 中区でしのぶ会

 広島市出身の作家、原民喜(1905~51年)が被爆体験を描いた小説「夏の花」のゆかりの場所を紹介する映像作品を、民喜を顕彰する「広島花幻忌の会」が制作している。没後62年にちなんで17日に中区で開いた集会で予告編を公開した。

 原爆資料館東館地下で、会員たち35人が観賞した。東京から疎開中だった民喜が被爆した幟町(現中区)の生家や施療所が設けられた広島東照宮(東区)など、小説に登場する建物を関係者の証言を交えて紹介している。

 昨年2月ごろから撮影を始め、今秋に完成の予定だ。DVD化して会員に配ったり、希望者に貸し出したりする。民喜のおいの原時彦さん(78)=西区=は「民喜が感じた原爆の悲惨さを追体験してほしい」と話していた。

 集会は命日の13日に合わせて開かれた。参加者は観賞前に、平和記念公園にある民喜の詩碑に花を手向けた。

(2013年3月18日朝刊掲載)

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