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原爆詩人峠三吉 志つなごう 山口で23日に朗読劇

 原爆詩人峠三吉の作品をモチーフにした朗読劇が23日午後1時半から、山口市熊野町のニューメディアプラザ山口である。元劇団員や脚本家たち舞台関係者でつくる朗読劇グループ「明日を紡ぐ大地の会」の公演。被爆74年の夏を前に、多くの市民が犠牲になった怒りや悲しみを伝えようと練習に熱がこもる。(中川晃平)

 峠の「原爆詩集」から「ちちをかえせ ははをかえせ」で始まる「序」など九つの詩を織り交ぜ朗読。原爆投下を批判する詩を詠むようになったきっかけなど峠の人物像を描く。

 同会は元劇団員や脚本家、作曲家など、舞台に携わった経験のある市民で2010年に結成。山口の文学作品や平和がテーマの朗読劇を年2回、市内で発表している。明治維新150年の昨年は幕末の思想家である吉田松陰の著書を題材にした作品を公演した。仕事などで全員が参加できるのは週1回程度しかないため練習は夜にまで及ぶ。

 脚本を手掛け、朗読にも参加する福島久嘉さん(82)=同市東山=は「被爆体験を風化させないよう若い人にも聞いてほしい」と来場を呼び掛ける。一般千円、大学生500円。高校生以下は無料。同会事務局☎083(921)2476。

(2019年6月13日朝刊掲載)

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