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海の向こうの思いは 米の学校で原爆伝える山下さん 安佐北区の亀崎小で講演

 米サウスダコタ州の学校で平和の大切さや原爆の悲惨さを伝えている同州の保育士山下和美さん(51)が19日、広島市安佐北区亀崎の実家への帰省に合わせて亀崎小で講演した。以前に同小から贈られた原爆の本や映像を米国で活用していると報告し、同州の子どもから託された折り鶴に込めた思いを紹介。3年続けての訪問で交流を深めた。

 「それぞれの国の歴史や人を理解する努力をして、核爆弾や世界の争いがなくなるよう祈り、自分や他の人の命を大切に思って毎日を過ごそう」。山下さんが体育館で、全校児童約180人に語り掛けた。

 山下さんは長女櫻子さん(11)が通う同州の小学校などで、広島に届ける「折り鶴の平和プロジェクト」を続けている。活動内容は、「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子さんを紹介し、折り鶴の折り方を教える。その思いと一緒に被爆地の故郷に持ち帰る。

 この日は、4~6月に同州の3小学・高校を訪問した様子を話した。「はだしのゲン」の本や禎子さんをモチーフにしたアニメのDVDを見せると、「原爆は怖い」「きのこ雲の下で何が起きたのか知りたい」という感想が出たという。活動が昨年10月に地元紙で取り上げられ、注目されていると強調。現地の子どもたちの名前入りの折り鶴566羽を披露して託した。

 亀崎小児童も作り、7月25日の原爆の子の像の碑前祭に届ける。6年伊藤可奈さん(11)は「広島での出来事が米国に伝わっていてうれしい。聞いたことを伝えるのが大事だと感じた」と話した。(山田英和)

(2019年6月21日朝刊掲載)

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