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継承活動 市医師会タッグ 広島と大邱 韓国で来春にも2世交流

 広島市医師会(松村誠会長)が今月初め、韓国の大邱(テグ)市医師会(李聖龜(イ・ソング)会長)を招いて広島市南区内で意見交換会を開き、日韓の被爆2世医師の交流や、被爆体験の継承活動と在韓被爆者調査で連携する方針を申し合わせた。来春にも、大邱で被爆2世医師の交流会を開催することを目指す。

 両医師会は2007年5月に友好協定を締結し、救急医療や介護などの課題を語り合う会合を重ねている。今回、被爆者問題にも交流分野を広げることにした。広島市医師会では「ヒロシマ被爆二世医師会議」が被爆者の体験を聞く市民公開講座を広島市内で開いており、こうした活動を韓国でも実施したい考えだ。

 被爆2世の松村会長が「病を押して被爆者治療に当たった医師の思いを引き継ぎ、ともに核兵器廃絶を訴えたい」と提案。李会長は「核兵器の危機が現実味を帯びる今、最も適切な提案だ」と応じた。

 厚生労働省によると韓国には広島や長崎で被爆した約2240人が暮らしている。うち大邱市では、385人が地元の被爆者団体「韓国原爆被害者協会大慶(テギョン)支部」の会員として把握されている。

 意見交換会には大邱から医師11人が参加。平和記念公園内の韓国人原爆犠牲者慰霊碑に献花し、原爆資料館も見学した。李会長は「大邱の被爆者や被爆2世医師の現状を把握しながら、広島との協力をぜひ深めたい」と意気込んでいた。(桑島美帆)

(2019年6月24日朝刊掲載)

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