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EU大統領、広島訪問 資料館見学 被爆者と面会

 大阪市で28日に始まる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に参加する欧州連合(EU)のトゥスク大統領が26日、広島市中区の平和記念公園を訪れた。原爆資料館で原爆被害の実態に触れ、「(首脳会議に参加する)世界のリーダーたちに今日聞いたことを伝えたい」と強調。G20のほかの首脳も被爆地を訪れるべきだとの考えを示した。

 資料館では、広島平和文化センターの小溝泰義理事長から説明を受けながら、犠牲となった動員学徒のシャツなどの遺品に見入っていた。続いて原爆慰霊碑に花輪をささげた後、松井一実市長、被爆者の小倉桂子さんと面会した。

 トゥスク氏は資料館を見学した後、声明を読み上げた。声明は「広島の発するメッセージを記憶するために被爆者の話に耳を傾け、自分の目で見ることに価値がある」と政治指導者たちの被爆地訪問の意義を強調。会議ではG20の首脳に対し、「不拡散、軍縮、平和、相互尊重のために行動する決意と勇気を持ってほしい」と呼び掛けるとした。

 EU大統領の広島市訪問は初めて。トゥスク氏はポーランドの首相を経て2014年12月にEUの大統領に就任した。(水川恭輔)

(2019年6月27日朝刊掲載)

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