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似顔絵や植物 鮮やか 被爆2世吉本さん 東区で色鉛筆画展

 被爆2世で知的障害のある廿日市市の吉本清美さん(37)の色鉛筆画展が、広島市東区牛田本町の「古民家ギャラリーうした」で開かれている。原爆小頭症患者である母トミエさん(73)の縁で知り合った人々の似顔絵や季節の植物を鮮やかに描いている。7月7日まで。無料。

 色紙に72色の色鉛筆で描いた18点を展示。このうち14人の似顔絵を並べた作品は、原爆小頭症の被爆者や家族、支援者たちでつくる「きのこ会」のメンバーや友人たちの顔を丁寧に彩った。ツバキやアジサイを描写した作品も並ぶ。

 清美さんには、人前では話せない「場面緘黙(かんもく)」がある。同ギャラリーで開かれていた、きのこ会の知人の展示を見たのを機に、ギャラリーを主宰する鶴岡たかさん(74)に3年前から絵を習うようになった。「言葉は出ないけれど、物事の捉え方がとても敏感。色の選び方や構図が大胆で、独特の感性がある」と鶴岡さん。会場には入院生活を送るトミエさんが作った貼り絵も飾られている。月曜は休み。同ギャラリー☎082(221)5401。(加納亜弥)

(2019年6月29日朝刊掲載)

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