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核禁条約署名 要請を 市民団体など 平和宣言で要望書

 市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)」や二つの広島県被団協などは28日、今年の8月6日の平和宣言で、日本政府に対して核兵器禁止条約の署名と批准を明確に求めるよう要請する要望書を広島市に提出した。県内の23反核・平和団体の連名。「ヒロシマの市長こそ、禁止条約発効の先頭に立つべきだ」と訴えている。

 要望書は松井一実市長宛てで、ほかに県原水禁、県原水協、NPO法人ANT―Hiroshimaなどが参加。米国の「核の傘」に依存して禁止条約に背を向ける日本政府について「被爆者と広島市民の怒りは大きい」とし、平和宣言で広島市長として条約に賛成し、政府に方針転換を求めるよう要請している。

 この日は、被爆者や市民12人が広島国際会議場(中区)を訪れ、HANWAの森滝春子共同代表(80)が市平和推進課に要望書を提出した。受け取った山藤貞浩課長は「禁止条約への被爆者の思いをどのように反映させるか、平和宣言に関する懇談会の意見を聞きながら検討する」と述べた。

 昨年の松井市長の平和宣言は政治指導者に「核兵器禁止条約を核兵器のない世界への一里塚とするための取組を」と促した一方、日本政府に禁止条約の署名・批准を求める直接の言葉はなかった。市は懇談会の次回会合を7月中旬に開き、意見を踏まえて松井市長が起草する。懇談会は、市長のほか要望書に加わった県被団協の坪井直理事長(94)や大学教授たち8人で構成している。(水川恭輔)

(2019年6月29日朝刊掲載)

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