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広島県内公立小 4割で卒業式 フクシマ胸に巣立ち 

 広島県内の公立小学校の約4割に当たる202校で19日、卒業式があった。学びやを巣立った1万3976人の中には、2年前に原発事故があった福島県から広島に避難してきた6人の姿もあった。(山本乃輔)

 その一人が、三浦友菜さん(12)。船越小(広島市安芸区)を、この日卒業した。

 福島第1原発事故の4日後、福島県いわき市から安芸区の祖母宅に逃れてきた。母の綾さん(40)、姉の矢野中2年莉衣菜(りいな)さん(13)、妹の愛奈ちゃん(6)と暮らす。事務機器販売会社を営む父芳一郎さん(43)はいわき市にとどまる。

 三浦さんが「一番印象に残った」のは、平和学習で一昨年に訪れた原爆資料館(中区)。放射線の恐ろしさを知った。「お父さんがなぜ家族を広島に来させたか分かった」

 卒業式には芳一郎さんが駆け付けた。「この2年ですっかり大人になった」。三浦さんは「お姉さんと一緒に吹奏楽をやりたい」と4月から、莉衣菜さんも通う矢野中(安芸区)に進む。

 県教委によると、12~23日に県内の公立小514校で卒業式があり、計2万6227人が卒業する。東日本大震災の被災地から県内に避難したり、生活の拠点を移したりしている児童は、福島県のほかに4人という。

(2013年3月20日朝刊掲載)

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