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「聖火リレー参加 広島で平和訴え」 来年5月 IOC会長意欲

 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が、2020年東京五輪の聖火リレーに合わせ、来年5月に広島を訪れる可能性が高まった。29日、バッハ氏は記者団に、被爆地訪問の意欲を改めて強調。五輪・パラリンピック組織委員会は意向を尊重する考えを示す一方、日程上の制約などを指摘した。

 バッハ氏は、20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)でスピーチをした後、大阪市内の会場で取材に応じた。

 「5月の広島での聖火リレーに私は参加するつもりだ」と強調。「五輪が持つ平和や一体性といったメッセージを、広島の人々と共に示したい」と述べた。

 全国を巡る聖火リレーは5月18、19の両日、広島県内の12市町を巡回。一般公募を中心としたランナーたちが広島市の平和記念公園などを回る。

 バッハ氏は取材に「平和を求める人々がいるところなら、どこへでも行きIOCが持つ平和への思いを伝えたい」と訴えた。

 取材に同席した五輪・パラ組織委の森喜朗会長は「バッハ会長が絶えず前から持っている個人的なお気持ちだ」としながらも、「日程上の制約もある。組織委としてどういうことができるか相談しながら進めたい」と含みを持たせた。

 ドイツ人のバッハ氏は昨年もインタビューで広島訪問の意欲を口にしていた。(下久保聖司)

(2019年6月30日朝刊掲載)

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